- 8月 29, 2026
🌿 第1回 漢方シリーズ
漢方薬ってどんな薬?
~西洋医学と組み合わせる、現代の漢方診療~
「漢方薬って、本当に効くの?」
「先生、漢方薬って本当に効くんですか?」
これは、外来で患者さんからよくいただく質問の一つです。
「西洋薬より効果が弱いのでは?」
「効くまで時間がかかると聞いたことがある。」
「体にやさしい薬というイメージだけれど、本当なの?」
漢方薬に対して、このような印象をお持ちの方は少なくありません。
一方で、実際の医療現場では、風邪や胃腸症状、便秘、更年期症状、食欲低下、冷えなど、さまざまな病気や症状に対して漢方薬が保険診療で広く使用されています。
私は総合内科医として日々診療を行っていますが、漢方薬は決して「特別な薬」ではありません。患者さん一人ひとりの状態に合わせて、西洋薬と同じように治療の選択肢の一つとして活用しています。
そこで今回から、新シリーズ「総合内科医が教える はじめての漢方薬」を始めます。
漢方薬が初めての方にも分かりやすく、その特徴や考え方、実際の使われ方を一緒に学んでいきましょう。
漢方薬は「昔の薬」ではありません
図1. 漢方薬は生薬から作られる医療用医薬品

「漢方」と聞くと、何百年も前から伝わる伝統医学というイメージが強いかもしれません。
確かに漢方医学は長い歴史を持っています。しかし、現在病院やクリニックで処方されている漢方薬の多くは、品質や成分が厳しく管理された医療用漢方製剤です。
煎じ薬を毎日作る必要はなく、多くは顆粒製剤として保険診療で処方されています。
また近年では、さまざまな研究が行われ、診療ガイドラインにも掲載される漢方薬が増えてきました。
つまり現在の漢方薬は、「昔から使われている薬」であると同時に、「現代医療の中で活用されている薬」でもあるのです。
西洋医学と漢方医学は対立するものではありません
ここで、私が最もお伝えしたいことがあります。
漢方薬は
「西洋医学の代わり」ではありません。
西洋医学で診断し、必要な治療を行ったうえで、患者さん一人ひとりの症状や体質に合わせて漢方薬を組み合わせることがあります。
総合内科医として、この「組み合わせる医療」を大切にしています。
例えば、高熱や肺炎が疑われる患者さんでは、必要な検査を行い、原因に応じた適切な治療を優先します。
一方で、風邪をひいた後の体力低下や食欲不振、慢性的な冷え、便秘、更年期症状などでは、漢方薬が役立つ場面があります。
「西洋医学か漢方医学か」を選ぶのではなく、それぞれの長所を生かしながら、患者さんにとって最も良い治療を考えることが大切だと考えています。
総合内科だからこそ、漢方薬が役立つことがあります
総合内科では、一つの病気だけではなく、患者さん全体を診ることが求められます。
例えば、
- 「血圧は良くなったけれど、冷えがつらい」
- 「便秘薬を飲んでも、お腹の張りが残る」
- 「更年期症状で毎日がつらい」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
こうした症状に対して、生活習慣の見直しや西洋薬による治療を基本としながら、必要に応じて漢方薬を組み合わせることで改善が期待できる場合があります。
もちろん、漢方薬にも副作用や注意点があります。そのため、自己判断で市販薬を飲み続けるのではなく、医師や薬剤師と相談しながら使用することが大切です。
このシリーズでお伝えしたいこと
このシリーズでは、
✔ 漢方薬とは?
✔ 「証(しょう)」とは?
✔ 「気・血・水」とは?
✔ 漢方薬が向いている症状
✔ 副作用と注意点
✔ 総合内科での使い方
などを、できるだけ専門用語を使わずに解説していきます。
漢方薬を初めて知る方にも、「なるほど、そういう考え方なんだ」と感じていただけるような内容を目指します。
院長からのワンポイント
漢方薬は「最後の手段」でも、「何にでも効く万能薬」でもありません。
総合内科医として、まず西洋医学に基づいて診断し、必要な検査や治療を行います。そのうえで、「もう少し食欲を改善したい」「冷えを何とかしたい」「体力を回復したい」といった患者さん一人ひとりの悩みに寄り添う治療の選択肢として、漢方薬を取り入れています。
大切なのは、「西洋医学か、漢方医学か」を選ぶことではなく、患者さんにとって最も良い治療を一緒に考えることだと思っています。
まとめ
- 漢方薬は保険診療でも広く使われている医療用医薬品です。
- 西洋医学と漢方医学は対立するものではなく、組み合わせて活用することがあります。
- 総合内科では、患者さん全体を診る視点から漢方薬が役立つ場面があります。
- 漢方薬にも副作用や注意点があるため、医師や薬剤師に相談しながら使用することが大切です。
次回予告
🌿 第2回 漢方シリーズ
「証(しょう)」って何?
~同じ病気でも処方が違う理由をやさしく解説します~
漢方薬では、病名だけで薬を決めるわけではありません。
「体質」や「症状の現れ方」を総合的に判断する「証(しょう)」という考え方があります。
次回は、「気・血・水」の考え方も交えながら、漢方医学ならではの診かたを分かりやすくご紹介します。
漢方薬について、このようなお悩みはありませんか?
- 西洋薬だけでは症状がなかなか改善しない
- 冷えや便秘、食欲低下などが続いている
- 更年期症状で困っている
- 漢方薬が自分に合うのか相談してみたい
漢方薬は、
患者さん一人ひとりの症状や体質に合わせて処方する「医療用医薬品」です。順聖クリニックでは、西洋医学による診断を基本としながら、必要に応じて漢方薬も組み合わせ、一人ひとりに合った治療をご提案しています。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
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(📞055-251-2121)(WEB予約)
漢方薬シリーズを読む
第1回 漢方薬ってどんな薬?
[~西洋医学と組み合わせる、現代の漢方診療~](公開中)
第2回 「証(しょう)」って何?
[~同じ病気でも処方が違う理由~](公開中)
第3回 「気・血・水」とは?
[~漢方医学の基本をやさしく解説~](公開予定)
第4回 更年期に使う漢方薬
[~同じ更年期でも、選ぶ漢方薬が違う理由~](公開予定)
第5回 頭痛・めまいに使う漢方薬
[~同じ頭痛・めまいでも、選ぶ漢方薬が違う?~](公開予定)
第6回 胃腸の不調に使う漢方薬
[~食欲不振・胃もたれ・お腹の張りを漢方で考える~](公開予定)
第7回 便秘に使う漢方薬
[~便秘のタイプによって選ぶ漢方薬は違う?~](公開予定)
第8回 疲れ・体力低下に使う漢方薬
[~補中益気湯・人参養栄湯・六君子湯をどう使い分ける?~](公開予定)
第9回 不眠・不安・イライラに使う漢方薬
[~眠れない・不安・イライラを漢方ではどう考える?~](公開予定)
第10回 (公開予定)
第11回 (公開予定)
第12回 (公開予定)
第13回 (公開予定)
文責:総合内科専門医 内藤 修
