• 5月 27, 2026

第2回 脂肪肝シリーズ|脂肪肝を改善したい方へ

まず“甘い飲み物”を見直しましょう

「脂肪肝を改善したい」と思ったとき、

  • ご飯を減らす
  • 油物を控える
  • 運動を始める

ことを意識する方は多いと思います。

しかし実際には、脂肪肝改善で最初に見直したいのは“飲み物”です。

特に、

  • ジュース
  • スポーツ飲料
  • エナジードリンク
  • 加糖コーヒー
  • 甘いカフェ飲料
  • 野菜ジュース
  • チューハイ類

などは、短時間で大量の糖質を摂取しやすく、肝臓に脂肪をため込みやすくなります。

「食べ物には気を付けているのに、なかなか体重が減らない」
「健康診断でALT高値が続いている」

という方は、“飲み物習慣”を一度見直してみることが大切です。

なぜ“飲み物”が脂肪肝につながるのでしょうか?

糖質は、飲み物で摂取すると吸収スピードが非常に速くなります。

例えば、ジュースやスポーツ飲料は、噛まずに短時間で飲めてしまいます。

糖分の多い飲み物を習慣的に摂取すると、エネルギーの過剰摂取につながり、肝臓への脂肪蓄積を促すことがあります。

特に注意したいのが、「果糖ぶどう糖液糖」を多く含む飲料です。

これは、

  • 清涼飲料水
  • エナジードリンク
  • 甘い缶コーヒー
  • 加糖紅茶
  • 乳酸菌飲料

などに広く含まれています。

果糖は肝臓で代謝されるため、摂りすぎると脂肪肝を悪化させやすいことが分かっています。

「野菜ジュースだから安心」ではありません

意外と多いのが、

「野菜ジュースなら健康的だと思っていました」

という声です。

図1. 野菜ジュースなら安心? 糖質量は商品によって異なります

野菜ジュースとコーラを並べ、野菜ジュースにも糖質が多い商品があること、100mL当たりの糖質量を栄養成分表示で確認する大切さを説明した図
野菜ジュースにも糖質を多く含む商品があります。飲料を選ぶ際は、栄養成分表示を確認し、同じ容量当たりの糖質量を比較しましょう。

もちろん、野菜不足対策として役立つ面もあります。

しかし、市販の野菜ジュースには糖質が多く含まれているものも少なくありません。

ただし、糖質量は商品によって異なり、野菜ジュースが必ずしもコーラより多いわけではありません。購入時には栄養成分表示を確認することが大切です。

甘い飲み物は短時間で多くの糖分を摂取しやすく、固形の食品に比べて満腹感を得にくい場合があります。

野菜は、

  • サラダ
  • 温野菜
  • スープ

など、“噛んで食べる”形のほうが満腹感も得やすく、血糖上昇も緩やかになります。

エナジードリンクやスポーツ飲料にも注意

疲れている時ほど、

  • エナジードリンク
  • スポーツ飲料

に頼りたくなることがあります。

しかしこれらは、糖質を多く含むものが多く、毎日飲む習慣は脂肪肝や体重増加につながります。

特に、

  • 夜勤
  • 長時間労働
  • 睡眠不足

が続いている方は、甘い飲み物への依存が強くなりやすいため注意が必要です。

「ゼロカロリー飲料」なら大丈夫?


図2. 脂肪肝改善のための飲み物選びの例・無糖コーヒー

白いカップに温かいブラックコーヒーを注いでいる写真。砂糖を加えない飲み物の選択例。
水、お茶、無糖コーヒーを基本にしましょう


ゼロカロリー飲料を選ぶ方も増えています。

砂糖入り飲料よりは良い選択ですが、“甘い味に慣れる”ことで、甘味への依存が続きやすい面もあります。

また、炭酸飲料を大量に飲む習慣自体が、間食や食べ過ぎにつながるケースもあります。

まずは、

  • 水
  • 麦茶
  • 緑茶
  • 無糖コーヒー

などを基本にするのがおすすめです。

甘い飲み物を水やお茶に置き換えましょう

脂肪肝の方では、水分摂取不足がみられることも少なくありません。

水分不足は、

  • 便秘
  • 代謝低下
  • 疲労感

にもつながります。

甘い飲み物を水やお茶に置き換え、こまめな水分補給を心がけましょう。ただし、心臓や腎臓の病気などで水分制限が必要な方は、主治医の指示に従ってください。

特におすすめなのが、食事の際に甘い飲み物ではなく、水やお茶を選ぶ習慣です。

水やお茶に置き換えることで、

  • 糖分の摂取量を減らす
  • 余分なエネルギー摂取を抑える
  • 甘い飲み物を飲む習慣を見直す

ことにつながります。

飲み物を変えるだけでも改善する方はいます

脂肪肝改善というと、

「厳しい食事制限」
「激しい運動」

をイメージする方も多いかもしれません。

しかし実際には、

  • 甘い飲み物を減らす
  • 毎日体重を測る
  • 夜食を減らす

といった“小さな習慣改善”の積み重ねがとても大切です。

特に甘い飲み物は、“満腹感が少ないままエネルギーだけを摂りやすい”ため、脂肪肝改善では優先的に見直したいポイントです。

脂肪肝シリーズを読む

▶ 第1回 「健康診断でALTが高い方へ」
~脂肪肝(MASLD)は放置してはいけません~

▶ 第2回 「脂肪肝を改善したい方へ」
~まず「甘い飲み物」を見直しましょう~  ←今回

▶ 第3回 「最近つまずく方へ」
~筋力低下(サルコペニア)と脂肪肝の関係~


▶ 第4回 「お酒好きの方へ」
~アルコール性脂肪肝と飲酒習慣の見直し~

文責:総合内科専門医 内藤 修

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