- 1月 25, 2026
アレルギー性鼻炎薬の強さランキング
近年、環境条件の悪化や生活様式の変化、社会生活の複雑化に伴うストレスの増加などにより
- アレルギー性鼻炎(花粉症・ハウスダスト・ダニ・ペットの毛など)
- 血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー・自律神経の乱れ)
- 気管支喘息
- アトピー性皮膚炎
- 薬物によるじん麻疹
などのアレルギー性疾患に悩む人が増加してます。

最初に開発された第1世代抗ヒスタミン薬は脳への影響が大きく、強い眠気や認知機能低下、口渇、腹痛、めまい、倦怠感、頭痛といった副作用が強いため、第2世代抗ヒスタミン薬が開発されました。第1世代抗ヒスタミン薬には、ポララミン、アダラックス、レスタミンなどがあります。

現在では、第2世代抗ヒスタミン薬が主流になっています。第2世代抗ヒスタミン薬は、多少の眠気、口渇、腹痛、めまい、倦怠感、頭痛などがみられることがあります。各々の薬剤には特徴があるため、自分に適した薬をみつけて服用することが大切です。実際には眠気・効果の強さ以外にも、即効性や効果の種類、内服の仕方(効果持続時間)や薬価など、その違いは様々ですので、患者さんの花粉症症状の程度、治療経過などを十分加味して、患者さん毎に最も合う薬を選ぶようにしています。花粉症では、症状が出る前や軽いうち(飛散2週間前)に治療を始める「初期療法」が最も効果的です。鼻の粘膜が過敏になる前に抗アレルギー薬服用や点鼻薬を使用することで、シーズン中の症状を大幅に軽減し、薬の量も減らせます。 ※下記のランキングは、一般的な評価の他に当院での主観的な評価が若干入っています。
2026年は1月20日現在、甲府市ではすでに少量のスギ花粉が飛散しています。本格的な飛散は2月中旬と予測されています。昨年の2~3倍、例年よりも多いと予測されています。

第2世代抗ヒスタミン薬の一覧(発売順)
- ①アレジオン(エピナスチン)1994年
- ②エバステル(エバスチン)1996年
- ③ジルテック(セチリジン)1998年
- ④タリオン(ベポタスチン)2000年
- ⑤アレグラ(フェキソフェナジン)2001年
- ⑥アレロック(オロパタジン)2001年
- ⑦クラリチン(ロタラジン)2002年
- ⑧ザイザル(レボセチリジン)2010年
- ⑨ビラノア(ビラスチン)2016年→現在ジェネリック無し
- ⑩デザレックス(デスロラタジン)2016年→現在ジェネリック無し
- ⑪ルパフィン(ルパタジン)2017年→現在ジェネリック無し
自動車運転可能:眠気を起こさない第2世代抗ヒスタミン薬(国土交通省航空局がパイロット服用可能に指定)
- アレグラ
- クラリチン
- ビラノア
- デザレックス
自動車運転可能だが注意が必要
- アレジオン
- エバステル
- タリオン
自動車運転は原則的に不可
- アレロック
- ジルテック
- ザイザル
- ルパフィン
妊娠中でも安全性が高い
- クラリチン
- ジルテック
授乳中でも安全性が高い
- アレグラ
- クラリチン

アレルギー性鼻炎薬の強さランキング
第2世代抗ヒスタミン薬強さランキング
1位 アレロック錠(オロパタジン)5mg
- 7歳以上
- 2歳以上7歳未満の小児が服用できるのは顆粒のみ
- 1回5mg錠を1日2回、朝食後と就寝前に服用
- 効果がとても強力!で、重度のアレルギー症状にも対応可能
- 特に眠気が出やすいため、運転や仕事をされる方は避けましょう!
- 症状が重い方
- 口渇や排尿障害などの副作用は少ない
- 服用後約30分〜1時間で血中濃度がピークに達し速効性がトップクラス
- 高齢者への投与は慎重を要する
- アレルギー性鼻炎、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そう痒症に効能あり
2位 ルパフィン錠(ルパタジン)10mg 当院おすすめ!
- 12歳以上
- 1日1回1錠を就眠前に服用
- 効果が強い
- 抗アレルギー作用に加え、抗炎症作用がある
- 鼻づまりに効く新しい抗PAF作用(血小板活性化因子作用)がある
- 軽度の眠気が出ることがあるため、運転に注意
- 症状に応じて倍量(20mg)投与(1日1回就眠前2錠)服用可能
- 速効性があり、内服後約1時間で効く
- 高齢者への投与は慎重を要する
- アレルギー性鼻炎、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そう痒症に効能あり
3位 ビラノア錠・OD錠(ビラスチン) 20mg 当院おすすめ!
- 15歳以上
- 1日1回1錠を「空腹時」に服用
- 空腹時の目安は食事の1時間以上前、または食後2時間以降
- 効果が強い
- 眠気がなく運転などにも安心
- 受験生などにも向いている
- 食事の影響を受けやすいため、空腹時の服用が必要
- 頭痛、めまい、口渇、排尿障害など副作用はとても少ない
- 速効性があり、内服後1〜2時間で効く
- アレルギー性鼻炎、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そう痒症に効能あり
- 特に、皮膚疾患に伴うかゆみ・慢性じん麻疹を強く抑制する
4位 ザイザル錠(レボセチリジン)5mg 当院おすすめ!
- 15歳以上
- 1日1回を就眠前に1錠服用
- 7歳〜15歳未満の小児では1回2.5mgを1日2回服用
- 1歳~7歳未満の小児ではシロップを使用
- 効果が比較的強い
- ジルテックの改良版で眠気がやや抑えられている
- 軽度の眠気が出ることがあるため、運転に注意
- 症状に応じて1回2錠まで増量できる
- 速効性があり、内服後1時間で効く
- アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症に効能あり


以降は番外編へ飛んでも結構です
5位 ジルテック錠(セチリジン)5mg、10mg
- 15歳以上
- 1日1回10mg錠を就眠前に服用
- ドライシロップは2歳以上の小児で使用
- 7歳以上15歳未満の小児には5mgを1日2回服用
- 軽度の眠気が出ることがあるため、運転に注意
- 症状に応じて1回2錠まで増量できる
- 速効性があり、内服後1時間で効く
- てんかん、腎機能障害、肝機能障害への服用は注意
- 倦怠感 、 眠気 、 口渇 などの副作用に注意
- アレルギー性鼻炎、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そう痒症に効能あり
6位 タリオン錠・OD錠(ベポタスチン)5mg、10mg
- 7歳以上
- 1回10mgを1日2回、朝食後と就眠前に服用
- 抗アレルギー作用に加え、抗炎症作用がある
- インターロイキン-5産生抑制作用をあわせ持つ
- 効果は比較的強いが、やや眠気が出ることがある
- 眠気の副作用の発生頻度は0.1~5%未満
- 軽度の眠気が出ることがあるため、運転に注意
- 鼻づまりにも良く効く
- 口渇や排尿障害など副作用はやや少ない
- 速効性があり、内服後30分〜1時間で効く
- アレルギー性鼻炎、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そう痒症に効能あり
7位 アレジオン錠(エピナスチン)10mg、20mg
- 7歳以上
- 1日1回20mgを就眠前に服用
- 3歳以上7歳未満の小児はドライシロップのみ
- 眠気はやや少ない
- 肝機能障害、小児気管支喘息、フェニルケトン尿症では服用注意
- まれに頭痛、口渇、胃部不快感がある
- アレルギー性鼻炎、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そう痒症に効能あり
8位 エバステル錠(エバスチン)10mg、OD錠5mg、OD錠10mg
- 15歳以上
- 1日1回5〜10mgを就眠前に服用
- 高齢者では、1日1回5mgから服用など注意
- 軽度の眠気、倦怠感、口渇に注意
- 長期ステロイド療法中や肝機能障害者には使用注意
- アレルギー性鼻炎、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そう痒症に効能あり
9位 デザレックス錠(デスロラタジン)5mg
- 12歳以上
- 1日1回5mgを服用
- 食事の影響を受けないため空腹時、食後、食前の制限なし
- 朝食後に服用でも可
- 眠気が起こらない
- クラリチンの改良版
- 効果は比較的弱い
- アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症に効能あり
10位 アレグラ錠(フェキソフェナジン)30mg、60mg
- 12歳以上
- 1回60mgを1日2回、朝食後と就眠前に服用
- 6ヶ月以上〜2歳未満の小児へはドライシロップのみ使用
- 2歳以上〜11歳への小児へはドライシロップまたは30mg錠のみ使用
- 眠気が起こらない
- 仕事や勉強に支障がでない
- 軽度から中等度の花粉症症状の方
- 副作用が少なく安全性が高い
- アレルギー性鼻炎、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そう痒症に効能あり
11位 クラリチン錠・クラリチンレディタブ錠(ロラタジン)10mg
- 15歳以上
- 7歳以上の小児へは1回10mg、ドライシロップ・レディタブ錠・普通錠のいずれも服用可
- 3歳~7歳未満の小児が使用できるのはドライシロップのみ
- 1日1回食後に服用
- 朝食後に服用でも可
- 眠気が起こらない
- モーニングアタックがある場合は夕食後がおすすめ
- レディタブ錠(口腔内速溶錠)は口腔内で速やかに溶ける
- 抗アレルギー作用に加え、抗炎症作用がある
- ヒスタミンおよびロイコトリエンC4などのケミカルメディエーター遊離抑制作用をあわせ持つ
- 口渇や排尿障害などの副作用は少ない
- 肝機能障害、腎機能障害への服用は注意
- アレルギー性鼻炎、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そう痒症に効能あり
番外編
「鼻づまり時に併用する薬剤」
キプレス・シングレア(モンテルカスト):ロイコトリエン受容体拮抗薬 当院おすすめ!
- 抗アレルギー作用に加え、抗炎症作用もある
- 特に鼻づまりが強い方に有効!である
- 副作用は比較的少なく安全性が高い
- 眠気はほとんど出ないが、1日1回就寝前に服用
- アレルギー性鼻炎の他に気管支喘息、副鼻腔炎にも効能がある
- 日中も快適に過ごしたい方に向いている
- 軽度から重度のアレルギー性鼻炎の方に向いている
ステロイド点鼻薬 当院おすすめ!
ステロイド点鼻薬は、アレルギー性鼻炎の鼻づまり・鼻水・くしゃみの症状を強力に抑える第一選択薬で、炎症そのものを原因から抑制し、局所作用で全身への副作用が少ないのが特徴です。「効果は徐々に現れる」ため、毎日継続して使うことが重要です。 毎年、花粉症の症状が強い方には初めから内服薬と併用することもあります。
市販の点鼻薬の多くは「血管収縮点鼻薬」で、ステロイド点鼻薬ではないことが多いです。血管収縮点鼻薬は、即効性があるので効果を実感しやすいですが、鼻腔の血管を傷つけてしまうため、長期間の使用はできません。特に1日に複数回を14日以上使用すると「薬剤性鼻炎」を発症しやすいので注意が必要です。
ステロイド点鼻薬には、ナゾネックス(1日1回就眠前に点鼻)、アラミスト(1日1回就眠前に点鼻)、エリザス(1日1回就眠前に点鼻)などがあります。

漢方薬(厳選3種)
①小青竜湯(ショウセイリュウトウ)
- くしゃみ、水っぽい鼻水(サラサラ)、鼻づまり、目のかゆみなどに効く
- 眠くなる成分がなく、車を運転する人にも安心
②葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)
- 鼻づまりが頑固な場合、血行を良くして鼻の通りを改善する
- 眠くなる成分がなく、車を運転する人にも安心
③辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)
- 鼻づまり、黄色く粘る鼻水を改善する
- 炎症を鎮め、蓄膿症(副鼻腔炎)の治療にも使用される
- 眠くなる成分がなく、車を運転する人にも安心

バイナス(ラマトロバン):プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2受容体拮抗薬
- 血管透過性を抑制し、鼻閉を改善する
- 鼻閉(鼻づまり)への効果は第2世代抗ヒスタミン薬よりも優れる
- 好酸球浸潤や鼻過敏症を抑制
- くしゃみ・鼻汁にも有効
- 効果発現は1週間後で認められ、長期連用で改善率が上昇する
- 主な副作用は眠気、腹痛、頭痛、胃不快感、肝機能値上昇など
- 成人は1回75mgを1日2回、朝食後・夕食後(または就寝前)に服用
ディレグラ配合錠(フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン配合剤)
- 抗ヒスタミン作用(アレグラ60mg)とエフェドリン(120mg)との配合剤
- 12歳以上
- 1回2錠を1日2回、朝および夕の「空腹時」に服用
- 朝と夕方の食事1時間前か食後2時間以降の空腹時
- 重症高血圧、重症冠動脈疾患(虚血性心疾患)、閉塞隅角緑内障、交感神経刺激薬による不眠、めまい、脱力、振戦、不整脈等の既往歴、前立腺肥大で尿閉のリスクがある方には禁忌(服用してはならない)
- 血管収縮作用を持つため、高血圧、心疾患、緑内障、前立腺肥大がある方は注意
- エフェドリンにより、睡眠障害になるリスクあり
- 鼻閉(鼻づまり)に効果が強い
- 中等症以上に用いる
- 鼻閉症状の緩解がみられた場合には、速やかに抗ヒスタミン剤単独療法等への切り替えが必要
- 2週間を超える有効性・安全性が確認されていないため、原則として「長期処方が不可」
- 頭痛や口の渇き等の副作用が多い
セレスタミン(ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)
- ステロイド薬と第一世代のヒスタミンH1受容体遮断作用(ポララミン)の合剤
- 強力な抗炎症・抗アレルギー作用を示す
- 連用を続けるとステロイドの副作用(免疫力低下、血糖値上昇、骨粗鬆症、白内障、胃潰瘍など)のリスクがある
- とても強い眠気や倦怠感が出る
- 医師の指示に従って慎重に使用する必要がある
- セレスタミンは重症のアレルギー疾患に対してのみ慎重な判断の上で短期的に使用される
- 安易な使用は副作用の観点からも注意が必要である
生物学的製剤・ゾレア(オマリズマブ)皮下注射
- 12歳以上
- 重症・最重症のアレルギー性鼻炎に対してのみ使用される
- 一定のIgE濃度・体重の基準を満たす方のみ
- 抗ヒスタミン薬や鼻噴霧ステロイドで効果不十分な方
- アレルギー反応の原因となるIgE抗体に結合して、症状を引き起こす肥満細胞の活性化を抑制
- シーズン中の症状を強力に抑えるが効果時季は限定的(そのシーズン限る)
- 実施できる医療機関に制限があり

アレルギー性鼻炎の40%に慢性副鼻腔炎(蓄膿症)がみられます。後鼻漏(鼻汁が喉の奥に流れ落ちる状態)や鼻閉が長期に続く場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

次回は、「新世代の睡眠薬・不眠症治療の問題点」についてレビューします。
文責:総合内科専門医 内藤 修
