• 2月 22, 2026
  • 2月 15, 2026

内科専門医が解説:健康的に痩せるための5つの戦略

第2回
ダイエット成功の鍵は運動と食事療法:基礎から徹底解説


「ダイエットを始めても長続きしない」
「食事制限だけでは思うように体重が減らない」

このような悩みを抱えている方は少なくありません。

健康的に体重を管理するためには、単なるカロリー制限ではなく、「運動療法」と「食事療法」を両輪として取り組むことが重要です。

本稿では、内科専門医の視点から、ダイエット成功の土台となる運動習慣と食事管理の基本、さらに糖質摂取の考え方について体系的に解説します。


運動療法は体重管理だけでなく生活習慣病予防やメンタル改善にも寄与


運動療法の重要性

運動は体重減少だけでなく、生活習慣病の予防・改善、筋肉量維持、基礎代謝向上、メンタルヘルス改善など多面的な効果をもたらします。

特に有酸素運動は脂肪燃焼に有効であり、ウォーキングやサイクリング、水泳などは日常生活に取り入れやすい運動です。

最初から長時間行う必要はなく、1日10〜15分程度から開始し、徐々に30分へ延長する方法が現実的です。

ダイエット時の理想的なウォーキング時間は、脂肪燃焼を効率化させたいなら「1回20分以上」、長期的な体重減少を目指すなら「1日合計30〜60分」が目安です。

主食・主菜・副菜をバランスよく摂取することが食事療法の基本


②食事療法の基本

食事療法は体重管理の根幹であり、生活習慣病の薬物療法効果を高める基盤でもあります。

重要なのは摂取量だけでなく、栄養バランスです。主食・主菜・副菜を組み合わせ、P:タンパク質、F:脂質、C:炭水化物を適切に配分します。

また、食事時間にも注意が必要です。約20分(少なくとも15分以上)かけてゆっくり摂取することでレプチンの分泌が行われ、満腹中枢は刺激されて過食の防止につながります。

栄養バランスを意識したP(タンパク質)・F(脂質)・C(糖質)の割合


③ 糖質(炭水化物)管理

糖質は重要なエネルギー源ですが、糖質の過剰摂取は脂肪蓄積の原因となります。糖質とインスリンの働きを整理します。

  • インスリンの司令塔としての役割3つ:
    • 脂肪分解の抑制:体脂肪を燃やしてエネルギーにする動きにブレーキをかけます。
    • 脂肪取り込みの促進:血液中の脂質を「貯蔵用」として脂肪細胞へ引き込みます。
    • 糖質の貯蔵血糖値を下げる過程で、余った糖を「今使う分(グリコーゲン)」と「予備(中性脂肪)」に変換・振り分けます。
  • 貯蔵場所2つと容量:
    • グリコーゲン(有限): 肝臓と筋肉に蓄えられますが、タンクのサイズが決まっており、一定量を超えて貯めることはできません。
    • 中性脂肪(無限): 脂肪細胞および肝臓に蓄えられます。皮下脂肪(皮下組織)や内臓脂肪(腹腔内)の脂肪細胞は風船のように膨らんだり、数が増えたりするため、蓄積量に実質的な限界がありません。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2025年版」に基づいた、理想的なエネルギー産生栄養素バランス(PFCバランス)は、C:炭水化物(糖質)50〜65%、F:脂質20〜30%、P:タンパク質13〜20%です。ダイエット中では、C:糖質摂取目安が総エネルギーの45〜50%程度減量します。それ以上の極端な制限は推奨されません。過度な糖質制限は筋肉量減少や代謝低下を招く可能性があります。

主食量(糖質)の調整、夕食時の糖質減量、食物繊維の併用などにより、血糖値の急上昇を抑えることが可能です。


まとめ

運動療法と食事療法は、健康的なダイエットの両輪です。

どちらか一方ではなく、継続可能な生活習慣として組み合わせることが成功の鍵となります。

次回は、三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の役割について、さらに詳しく解説します。


文責:総合内科専門医 内藤 修

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