- 2月 22, 2026
- 2月 21, 2026
内科専門医が解説:健康的に痩せるための5つの戦略
第3回
三大栄養素を理解する:糖質・脂質・タンパク質の正しい摂り方
ダイエットに取り組む際に、「糖質を減らす」「脂質を控える」など、特定の栄養素だけに注目してしまうケースは少なくありません。
しかし、体重管理を成功させるためには、三大栄養素である「脂質(F)・タンパク質(P)・糖質(C)」の役割を理解し、「FPCバランス」を把握することが大切です。
スマホの「ダイエットアプリ」利用例:PFCバランス計算が可能→①あすけん、②カロミル、③My Fiyness Pal、④FiNCなどがあります。
本稿では、それぞれの栄養素の働きと適切な摂取バランスについて、医学的視点から整理します。

① 糖質の役割と注意点
糖質は身体と脳の主要なエネルギー源であり、極端な制限は集中力低下や代謝低下を招く可能性があります。
一方で過剰摂取は血糖値の急上昇を引き起こし、インスリン分泌を介して中性脂肪に変換されて脂肪蓄積につながります。
主食量(炭水化物:糖質)の調整や食物繊維の併用により、血糖値の乱高下を抑えることが重要です。

②脂質の役割と脂肪酸バランス
脂質はエネルギー源であるだけでなく、細胞膜形成やホルモン合成にも関与します。
脂質と脂肪酸の違い
- 脂質:水に溶けない物質の総称、「中性脂肪・コレステロール・リン脂質」の3種
- 脂肪酸:脂質を形作っている主要な成分で、いわば「脂質の部品」のような存在
- 脂肪酸の種類で「脂質の質」が決まる
不飽和脂肪酸(オメガ3・9)を適切に取り入れ、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の過剰摂取を避けることが推奨されます。
トランス脂肪酸(油脂・加工食品)とは?
- 油脂類:マーガリン、ショートニング
- 菓子・パン類: クッキー、ケーキ、パイ、ドーナツ、デニッシュ、スナック菓子(ポテトチップスなど)
- 揚げ物: フライドポテト、から揚げ(外食や惣菜で、繰り返し高温加熱された油を使用している場合)
- 加工食品: 冷凍ピザ、インスタントラーメン、カレーのルウ、コーヒークリーマー
飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸は図を参照

③タンパク質の重要性
タンパク質は筋肉・臓器・免疫機能を支える栄養素の基盤です。
筋肉量維持のため、体重1kgあたり1.0〜1.5gの摂取が目安とされます。さらに運動習慣がある場合は1.5g~2.0gへ増量が必要です。
タンパク質が不足すると基礎代謝が低下し、体重が減りにくくなります。
朝食でタンパク質(20g以上)を摂るとダイエット効果が得られやすくなります。朝食にタンパク質と糖質をセットで食べると、筋肉合成の促進や体内時計が整えられ睡眠の質の向上・生活リズムの安定につながります。
まとめて摂取するのではなく、減量中は1食あたり20~30g程度、1日3食で配分することが大切です。
慢性腎臓病(CKDのステージG3a~G5)の方は、むしろ摂取制限が必要です。
尚、タンパク質は、炭水化物(ご飯150gに3.8g、食パン6枚切り1枚に5.3g、シリアル50gに5.0g)、野菜100gあたり(ブロッコリーに4.3g、ほうれん草に2.2g、芽キャベツに5.7g、しいたけに3.0g)など野菜にも含まれます。

まとめ
三大栄養素は、それぞれが独立して働くのではなく、相互に関係しながら代謝を支えています。
極端な制限ではなく、バランスの取れた摂取こそが、健康的なダイエット成功の鍵となります。
次回は、代謝を支えるビタミン・ミネラルの役割について解説します。
【栄養バランスや食事内容の見直しをご希望の方へ】
「糖質を減らしているのに体重が減らない」
「タンパク質はどれくらい摂ればよいのか分からない」このようなお悩みを抱えている方も少なくありません。
体重管理や生活習慣病予防のためには、三大栄養素のバランスを理解し、個々の体質や基礎疾患に応じた食事管理が重要です。
症状がなくても、検査で初めて異常が見つかるケースは少なくありません。
コレステロールや中性脂肪、アルブミン値などは、脂質・タンパク質摂取状態を反映します。血液検査による評価が重要です。
当院では、栄養バランスの評価、食事内容の見直し指導、必要に応じた血液検査による代謝評価も行っております。
健康的な体重管理を目指したい方は、お気軽に外来でご相談ください。
文責:総合内科専門医 内藤 修
