- 12月 7, 2025
- 12月 19, 2025
ダイエット・栄養素・サプリメント part2
ダイエット/健常者も知っておきたい五大栄養素/サプリメントの可否 part2
三大栄養素のひとつの「脂質」
脂質は、ダイエット中なら総エネルギーの「15~20%」程度まで減らします。
脂質は1gあたり9kcal、炭水化物およびタンパク質は1gあたり4kcalです。脂質は炭水化物やタンパク質の2倍以上のカロリーを持ちます。 脂質も極端に減らすと、免疫力や体力、ホルモンバランスなどに悪影響が出ます。
例えば、1日2,000kcal摂取する場合では「1日の脂質は約44g」に抑えます。脂質を全く摂らないのは健康に悪影響があるため、「最低でも1日10〜20gは摂取する」必要があります。
脂質の「質」も重要で、「トランス脂肪酸」や「飽和脂肪酸」の摂取量は抑えるなど脂質の種類にも気を配ります。
「不飽和脂肪酸」は植物系や魚類に多く含まれる健康に良い油で、悪玉(LDL)コレステロールの抑制や、体内で合成できない「必須脂肪酸」として健康維持に重要です。「不飽和脂肪酸」には、多価不飽和脂肪酸の「オメガ6」と「オメガ3」および一価不飽和脂肪酸の「オメガ9」があります。

①過剰摂取に注意が必要な「オメガ6」(リノール酸)には、サラダ油、ごま油、べにばな油、コーン油、マヨネーズなど、調理に多く使われる油があります。オメガ6は自血球を活性化して病原菌と戦いますが、過剰に摂取すると血液をドロドロにして体内の炎症を誘発します。
②推奨したい「オメガ3」(α-リノレン酸)には、アマニ油、えごま油、青魚、クルミがあります。体内で健康維持に不可欠なEPAやDHAに変換されます。血液をサラサラにして炎症や血栓を抑える 、心血管疾患リスクを減らす、中性脂肪を減らし内臓脂肪をつきにくくする、高血圧予防効果などがあります。
③推奨したい「オメガ9」(オレイン酸)には、オリーブオイル、アボカドオイルがあります。善玉(HDL)コレステロールを減らさずに悪玉(LDL)コレステロールのみを除去する、動脈硬化や高血圧、便秘などを予防します。
④健康に悪い「トランス脂肪酸」には、マーガリン、ショートニングがあります。悪玉(LDL)コレステロールを増やし、善玉(HDL)コレステロールを減らしてしまい、多量摂取すると、心筋梗塞などの冠動脈疾患、肥満、アレルギー性疾患などのリスクが高まります。

⑤健康に悪い「飽和脂肪酸」には、バター、豚脂や牛脂などのラード 、ココナッツオイルなどがあります。飽和脂肪酸を摂りすぎると血中総コレステロールが増加し、心筋梗塞など循環器疾患のリスクが増加します。
「エクストラバージンオリーブオイル」(オレイン酸)には、ビタミンEやポリフェノールが豊富で、抗酸化作用や抗炎症作用、抗がん作用が期待できます。血管の酸化を防ぐことで、動脈硬化、高血圧、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)のリスクを減らし、コレステロール値の改善、美肌効果、アンチエイジング効果が期待できます。また、エクストラバージンオリーブオイルには、血糖値の安定化をサポートする成分も含まれています。適量を守ることが重要で1日に大さじ2杯(20ml)までとします。私的にはネット通販で「ガルシア オーガニック (有機)エキストラバージン オリーブオイル 500ml スペイン産 JAS認証」を定期的に購入しています。
オリーブオイルの欠点としては、過剰摂取で高カロリーによる肥満リスク、加熱で有益な成分が壊れ風味も損なわれる、酸化のリスク、そして品質のばらつきがあります。買ってはいけないオリーブオイルは、極端に安いもの、認証マークがないもの、遮光性のない容器に入っているものです。「アマニ油やエクストラバージンオリーブオイル」は、そのままサラダにかける、パンにつける 、冷奴や納豆にかける、冷製パスタや和え物など、「加熱しない調理 」に向いています。

「米油」には、オメガ9とオメガ6をバランス良く含んだ油で、ビタミンEやオリザノールなどの栄養素が豊富で、コレステロール低下や抗酸化作用があり抗がん作用も期待できます。米油は、加熱にも強く、炒め物、揚げ物(油切れが良い)、ドレッシングなど、どんな料理にも使いやすいです。
「なたね油」(キャノーラ油)には、オメガ9が約50〜65%、オメガ6が約20〜30%、オメガ3も微量ですがバランスよく含まれ、善玉(HDL)コレステロールの量を維持しながら悪玉(LDL)コレステロールだけを減らし、動脈硬化や高血圧の予防に効果があります。なたね油(キャノーラ油)は、熱に強く、酸化しにくく、揚げ物や炒め物に向いています。

大さじ1杯のサラダ油は約12gの脂質を含み、大さじ4杯では既に40g以上になります。脂質は、とんかつ1枚(150g)で約54g、60gのポテトチップスで約21g、マヨネーズは大さじ1杯で約9g、ごまドレッシングは大さじ1杯で約6gが含まれており注意が必要です。意識しないと直ぐ脂質過剰になりがちです。
「卵」は1個あたり約5.3gの脂質を含みますが、不飽和脂肪酸の割合(65%)が多く、良質なタンパク質、リン脂質、ビタミンA、D、B12、葉酸が含まれており厳しい制限は必要ありません。厚生労働省が発表する「食事摂取基準」をみると2010年度までは、コレステロール含有量が多い鶏卵は「1個/日まで」となっていましたが、2020年度にはその目標値が削除されています。「卵は1~2個/日まで」の摂取が望ましいと考えられます。

「青魚の摂取」が必要な理由は、良質なタンパク質や、健康維持に不可欠なオメガ3(EPA・DHA)、ビタミン、ミネラルが豊富だからです。魚の栄養素は、筋肉や肌の生成、脳の機能維持、血液をサラサラにする効果など、全身の健康をサポートするために欠かせません。
「高中性脂肪血症(高脂血症)」の方へは、「オメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル」1日2g〜4g(2gで EPA 465mg+DHA 375mg 含有)、または「イコサペント酸エチル粒状カプセル」(EPA)を1日900mg〜1,800mg、保険適応で処方が可能です。

青魚を十分に摂取できない方で、購入をご希望の方へは、自由診療にて販売が可能ですので、電話にてお問い合わせください。健康補助食品とは異なる品質が良いオメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル2g(EPA 465mg+DHA 375mg)正規医薬品を医薬品卸売業者から納入いたします。市販サプリのオメガ-3(EPA+DHA)のほとんどはソフトカプセルですが、「粒状」と明記されている場合は、有効成分を高濃度で精製してより効果を発揮できるように工夫された医薬品である証拠です。
「EPA」は、中性脂肪の低下、血液をサラサラにする、硬い血管を柔らかくして拡張させる、血液の流れをスムーズにすることで動脈硬化や血栓を改善させる、抗炎症作用があるなどが証明されています。心血管疾患や生活習慣病の予防につながります。運動後の筋肉痛の緩和や持久力の向上にも役立ちます。
「DHA」は、中性脂肪やコレステロールの低下、抗炎症作用による生活習慣病の予防・改善、動脈硬化やアレルギーの抑制に役立ちます。脳の機能維持、加齢による短期記憶力低下の抑制、認知機能低下の抑制の可能性があります。

三大栄養素のひとつの「タンパク質」
タンパク質は、総エネルギーの「20〜30%」まで増やします。ヒトの体の20%はタンパク質でできています。ダイエット中の1日のタンパク質摂取量は、性別、年齢、体重、活動量などによって異なりますが、摂取目標は「体重1kgあたり1.0~1.5g」が目安です。全身筋トレをする日などはさらに摂取量を増やす必要があります。例えば、タンパク質の摂取量は、体重60kgの方であれば1日60~90g、体重90kgでは1日90〜135gと「計算」できます。筋トレ日はさらに20〜30g程度増やすと良いでしょう。但し、これはあくまで目安であり個人差があります。
1度にタンパク質を多量に摂取すると吸収できずに下痢を起こす可能性があります。「複数回に分けて食事で摂取する」ことが大切で、体重60kgならタンパク質1日60〜90g必要なので、「朝食・昼食・夕食の各食事」で20〜30gずつ摂取することを目指します。「朝食にタンパク質を摂る」と、その後も食欲増進ホルモンのグレリン分泌レベルを抑制する効果があります。「肉や魚などを100g摂ることで約20gのタンパク質」が摂れます。肉、魚、大豆製品、乳製品、穀類などを組み合わせてバランスよく食事から摂ることが基本です。

ダイエットが進み、食事で足りないタンパク質は「プロテイン」サプリメントで補うことも考慮しましょう。プロテインには、ソイプロテイン(大豆プロテイン)とホエイプロテイン(乳清プロテイン)があります。

「ソイプロテインのメリット」は、腹持ちが良く満腹感が持続すること、植物性で低カロリーであること、大豆イソフラボンによる「女性の美容や健康サポート」、そして乳糖(牛乳)不耐症でも安心して飲めることです。また、筋肉の維持・増強にも役立ち、血中コレステロール値の改善や生活習慣病のリスク軽減にもつながる可能性があります。
「ソイプロテインのデメリット」は、消化吸収がゆっくりで即効性が低く、筋力トレーニング後のタンパク質補給には不向きなこと、溶けにくくダマになりやすいこと、アミノ酸スコアがホエイプロテインより低いこと、そして過剰摂取によるイソフラボンの影響「特に男性ホルモンへの懸念(けねん)すなわち前立腺がんの増加、精子減少、女性化乳房」が挙げられます。「男性は避けた方がいい」かもしれません。
「ホエイプロテインのメリット」は、消化吸収が速いため「筋肉合成や筋肉修復に役立つ」こと、「必須アミノ酸(特にBCAA)が豊富」であること、水などに溶けやすくダマになりにくいため飲みやすいこと、種類が豊富で味の選択肢が多いことが挙げられます。運動後のリカバリー、筋肉増量、トレーニングで損傷した筋繊維の補修、日々の筋肉維持、タンパク質補給に適しています。服用タイミングは、朝食時や運動後のコンディショニング維持などに良いです。
「ホエイプロテインのデメリット」としては、腹持ちが長くないこと、摂りすぎるとカロリー過多や内臓に負担がかかる可能性があることなどが挙げられます。
「豆乳」には良質なタンパク質やマグネシウム・鉄分が含まれ貧血予防や筋肉機能のサポートに役立ちます。 一方、「アーモンドミルク」には良質なタンパク質や食物繊維が含まれており腸内環境を整える効果が期待できます。


タンパク質を「過剰」に摂取すると、通常よりも多くのカルシウムを排尿するため腎臓に負担がかかり腎機能を悪化させたり、腎結石をもたらす可能性があります。「慢性腎臓病(CKD)ステージG3a以降(eGFR59以下)」まで進行している方は、むしろ「タンパク質の摂取を制限する必要がある」ので避けましょう。

文責:総合内科専門医 内藤 修
