- 11月 24, 2025
- 12月 3, 2025
グレリンとレプチンおよびGLP-1は「食欲を調整する」ホルモンです!
内分泌代謝に関係する話題です。
「食欲促進ホルモン」
●グレリン
「グレリン」は主に胃から分泌され、空腹感を促し「食欲増進」させるホルモンです。胃から脳へ空腹シグナルを伝え、視床下部の食欲中枢を刺激して満腹感を減らし食欲を増進させます。また、成長ホルモンの分泌を促進し、消化管機能の調節などエネルギー代謝にも関与します。消化管の運動の促進作用もあります。また、グレリンは血糖値の上昇を促進させる作用があります。
グレリンは、絶食により胃から分泌されて血中濃度が上昇し、摂食により長時間かけて血中濃度は低下していきます。
「グレリンを抑制する」には、
①適度な運動!
②質の良い睡眠!
③ストレス管理!
④バランスの取れた1日3回の食事!
⑤タンパク質の摂取!
⑥加工食品や人工甘味料を避ける!
が役立ちます。
①「運動」は、グレリンを「減らす」効果があります。
②睡眠「不足」により、脳はエネルギーが足りないと判断し、グレリンの分泌を「増やして」しまいます。睡眠不足は太ります。
③慢性的な「ストレス」により、コルチゾールなどのストレスホルモンが上昇して、グレリンの分泌は「増加」してしまいます。
④「規則正しい食事のタイミング(1日3食!)とバランスの取れた栄養素を摂取」することは、グレリンの分泌を「コントロールする」ために重要です。
⑤「タンパク質を摂取」すると、グレリンの分泌が「抑制」されます。特に「朝食にタンパク質を摂る」と、その後のグレリンレベルを抑制する効果があります。
⑥「加工食品」や「人工甘味料」は、グレリンの「分泌バランスを崩し」ます。
「食欲抑制ホルモン」
●レプチン
「レプチン」は脂肪細胞から分泌される「食欲抑制」ホルモンで、満腹感をもたらします。レプチンは主に小腸から体脂肪の量に応じて分泌され、脳の視床下部に作用して食欲を抑制し、エネルギー消費を促進させ、体重を適正に保つ働きがあります。「肥満」ではレプチンが効きにくくなる「レプチン抵抗性」が起こりやすく、これは食欲を抑えられなくなる原因の一つと考えられています。
「ゆっくり食べる」という行動は、グレリン分泌の抑制ではなく、むしろレプチン(食欲抑制)の分泌促進と強い関連があります。「食事開始から約15分」たつと、ようやくレプチンが分必され始め満腹中枢へ働き、過食を防いで痩せやすくなります。
「レプチンを増やす」には、①~④まで「グレリンを抑制する」と同じです。
①適度な運動!
②質の良い睡眠!
③ストレス管理!
④バランスの取れた1日3回の食事!
⑦炭水化物の制限!
が役立ちます。
①「運動」は、レプチンの分泌を「促し」ます。
②睡眠「不足」により、レプチン分泌は「低下」します。良質な睡眠が大切です。
③「ストレス」を食べ物で解消するのではなく、音楽を聴いたり、趣味に時間を使うなど「食べ物以外の方法でリラックスする方法」を取るとレプチン分泌が「促され」ます。
④「バランスの取れた栄養素」を摂取することは、例えば卵・アボガドや魚類に含まれるオメガ‐3脂肪酸などがレプチン分泌を促し、食物繊維で満腹感が持続します。
⑦炭水化物を減らすと、レプチン分泌とレプチン感受性の改善が得られます。
「グルカゴン様ペプチド-1」
●GLP-1
「よく噛む」(一口あたりおよそ30回くらい噛む)と、脳の満腹中枢が刺激され、少ない食事量でも満足感を得やすく、もう十分食べたという感覚が得られます。胃の動が遅くなり、食欲は抑制されます。
昨今、ダイエット薬で脚光を浴びている糖尿病治療薬・痩せ薬の「GLP-1薬」ですが、リバウンドしやすいGLP-1薬剤を投与しなくても「30回くらい良く噛めば」自身の小腸から「GLP-1が分泌」されて、食欲を抑えてくれます。
体内中のGLP-1濃度が高いことで得られる効果は、満腹感を感じやすいため少量の食事で満足します。胃から腸への排泄を遅らせるためお腹がすきにくいです。基礎代謝をあげ、内臓脂肪の分解を促進します。よってダイエットを効率よく得られます。
「GLP-1を増やす」には、①、④、⑤が「グレリンを抑制する」と同じです。
①適度な運動!
④バランスの取れた1日3回の食事!
⑤タンパク質の摂取!
⑧腸内環境を整える!
⑨青魚の摂取!
⑩鉄分を適量摂る!
が役立ちます。
①定期的に運動することもGLP-1の分泌を促進する効果があります。
④朝食を抜くと、1日のGLP-1分泌量が減るため、3食きちんと摂る生活週間が重要です。
⑤タンパク質は、GLP-1の分泌を刺激します。タンパク質を意識して摂ることが大切です。
⑧GLP-1の恩恵を最大限にうけるためには、腸内環境を整えるのが重要です。腸内環境を整えてくれるものに、プレバイオティクス(善玉菌を育てるエサ)とプロバイオティクス(生きた善玉菌)の2種類を一緒に摂ることが大切です。2つを組み合わせることで腸活はより一層効果的(シンバイオティクス効果)になります。プレバイオティクスの食物繊維は腸内細菌のエサとなり、GLP-1分泌を促す短鎖脂肪酸を生成します。生きた善玉菌は腸に定着できないので、食物繊維やオリゴ糖をなるべく毎日食べる必要があります。有用菌を届ける「プロバイオティクス」には、乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌、発酵食品などに多く含まれています。生きた善玉菌の補給は腸内フローラのバランスを整え、健康増進に役立ちます。プロバイオティクスは、免疫細胞の活性化(免疫力強化)、便通の正常化、腸の蠕動運動促進、アレルギーの抑制、動脈硬化の予防、糖尿病の改善、気分改善やストレス軽減(脳腸関連)、抗炎症・抗酸化作用、歯周病の予防・改善、消化酵素の分泌を助け栄養の吸収向上などに役立ちます。
⑨青魚に多く含まれるEPAには、GLP-1分泌を増やす効果があります。
⑩鉄分はGLP-1を分泌する細胞を活性化させる効果があります。鉄分の過剰摂取には注意が必要です!
「ホルモンを味方にして食欲をうまくコントロール!」
⑪食事に20分、時間をかける!
⑫30回くらい良く噛んで食べる!
⑬腹八分目になったら食べ切らすに食事を残す!
⑪でレプチン分泌を増加、⑫でGLP-1分泌を増加させ、食欲をコントロールすれば、⑬沢山食べきらないことが期待できます。食べ過ぎずに残した食事はラップして冷蔵庫にしまい、次の食事でチンして食べればダイエットにつながり、食品ロスも減り、食費もうきます。
「早食いはダイエットの天敵!?」
「早食い」は大食いしやすく太ります!満腹中枢がレプチンで刺激される前に食べ過ぎてしまうことや、血糖値が急激に上昇してインスリンが多く分泌されることが主な理由です。
主食のご飯、めん類、パン、パスタなど、炭水化物(糖質)の「過剰摂取」は、急激な血糖値の上昇をもたらします。膵臓は、過剰な高血糖を下げるために、多量のインスリンを分泌します。高血糖が度々起こると、膵臓は次第に疲弊(ひへい)し、糖尿病の方は病状が悪化しやすくなります。インスリンは、血糖値の上昇に応じて膵臓から分泌され、血中のブドウ糖を筋肉、脂肪細胞、肝臓へ運び込み、エネルギーとして利用させたり貯蔵させたりする役割を担います。エネルギーとして消費されなかった余分なブドウ糖は、「中性脂肪やグリコーゲン」に変換され蓄えられ、太ります。中性脂肪は、肝臓に蓄えられると「脂肪肝」となり、皮下の脂肪細胞に蓄えられると「皮下脂肪」となります。グリコーゲンは肝臓や筋肉に貯えられ、蓄えられたグリコーゲンは、空腹時に再びブドウ糖に分解されて血糖値を一定に保つ役割も果たします。肥満症や糖尿病では、食欲を増進させる「グレリン分泌を増加させてしまう」傾向があり、慢性的な空腹感につながる悪循環が懸念(けねん)されています。また、肥満症では血糖値を下げるインスリンが効きにくい「インスリン抵抗性」が増大します。
よって、食事療法や運動療法による適切な体重管理は重要です!
次回は、「具体的にダイエットに成功するコツ、健康を維持するために重要な五大栄養素の説明、サプリメントで効率的に痩せる方法、認知症予防や美容に良いサプリメントの紹介、サプリメントの可否」について深掘りしてレビューします!
