- 12月 26, 2025
- 1月 8, 2026
認知症予防サプリメント・認知症リスク因子
高齢化にともない認知症は急増しています。「厚生労働省の認知症施策の現状について」によれば、「65歳以上の高齢者の4人に1人が認知症またはMCI(認知症の初期)」、80代後半では約3人に1人以上、90歳以上では約2人に1人以上が認知症とされています。
日本認知症予防学会が「承認している」サプリについて
「①フェルガード100M、②βラクトリン、③オキシカット」では、認知症予防効果が「ヒトの臨床試験」でエビデンス(科学的根拠)があり、日本認知症予防学会で承認されています。
①「フェルガード」
認知症薬物療法マニュアル「コウノメソッド」で、フェルガードの科学的根拠(エビデンス)について報告されています。フェルガードは、米ぬか、小麦、コーヒー、ピーナッツなど食品に広く存在するポリフェノールが主な成分で、直物由来のもので極めて安全性の高いものです。フェルラ酸は、米ぬかより得られる米ぬか油を生成する過程で生じる米ぬかピッチを原料として製造されています。
近年ではアルツハイマー型認知症治療薬において、アミロイドβの非産生経路に関与している αセクレターゼの活性化が注目され、開発が進められています。

岐阜薬科大学の報告によればフェルガードはαセクレターゼ活性を誘導することが実証されており、グロービアミエリン研究所の報告ではフェルガード(フェルラ酸、ガーデンアンゼリカ)投与によりαセクレターゼ発現量が有意に増加することが確認されています。また、Acta Neuropathologica(29 July 2020)の報告では、アミロイドβ濃度は生理学的機能と病理学的機能を調節するために重要なため、多すぎたり少なすぎたりすると機能障害を引き起こし、生理学的に最適な濃度が存在し治療におけるスイートスポットがあると考えられ、フェルガードは丁度よい量に調節できていることが実証されています。埼玉医科大学総合医療センター研究部・病理部の報告 PLOS8(2)1-16(2013)によると、フェルラ酸の経口投与はアルツハイマーの過活動を鎮静化するとされ、また非投与群では脳内に典型的なアミロイドβの沈着を認めたのに対し、投与群では海馬と大脳皮質の領域で沈着を59~73%軽減が認められています。フェルガードでは、アミロイド説以外を補足するものとして、ミエリン仮説と炎症説も考えられています。

フェルガードには、フェルラ酸包接体、ガーデンアンゼリカの含有量が適量に多く、ビタミンC、ビタミンEなども含有しています。γ-シクロデキストリンで包接され「ナノカプセル化」しています。包接することにより体内で徐々にフェルラ酸が吸収され12時間持続します。フェルガードM100の標準用量は、1日2包(4粒)を2回に分けて水などで服用します。朝食前と夕食前など「空腹時に服用」すると吸収率が最も良くなります。食後でも効果は認められていますが、エビデンスが良い服用方法は空腹時の摂取です。
認知症になる「25年前」から、アミロイドβは「脳内に凝集」を始めることが解明されています。認知症予防対策には生活習慣が最も大切ですが、私も将来的に認知症になることを避けたいので既に服用しています。私は起床時と仕事上がりの夕食前に服用しています。フェルガードMは、「ヒトの脳」の老人斑からの神経毒を強力にブロックし、アルツハイマー型認知症の予防・治療に対して長期的な効果が実証されています。
フェルラ酸は、フリーラジカル、慢性炎症、βセクレターゼの転写を減少させ、脳内のアミロイドβの減少と、アミロイドβによる神経細胞の損失を減少させることが示されています。ガーデンアンゼリカに特徴的に含まれるキサントトキシンは、記憶にかかわる神経伝達物質の1つであるアセチルコリンを分解する酵素のアセチルコリンエステラーゼの有意な阻害を示し、同じくデクルシンも海馬におけるアセチルコリンエステラーゼ活性を阻害することで抗健忘作用が報告されています。
保険適応の薬剤の、ドネペジル(アリセプト)は意欲低下に、ガランタミン(レミニール)は情緒不安定に、リバスチグミン(イクセロン/リバスタッチ)は貼り薬で嚥下困難時に、メマンチン(メマリー)は興奮や徘徊に用いられるなどされています。これらの保険適応薬剤は認知症の進行をやや遅らせる薬剤です。コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン)の副作用として、吐き気・嘔吐や下痢、食欲不振などの消化器症状、頭痛、脈が遅くなる徐脈や、脈が乱れる不整脈、怒りっぽくなったり、攻撃的になったりするなどが割と多くみられます。メマンチン(メマリー)の主な副作用には、めまい、傾眠、便秘、血圧上昇、幻覚などがあります。特に高齢者では転倒のリスクが高まるため注意が必要です。これら保険適応の薬剤で、副作用の疑いがある場合は主治医に相談してください。
フェルガードは、認知症の予防目的やMCI(軽度認知障害)の段階であれば、認知症の発症を防止・回復できることを日本認知症予防学会が承認している「メディカルサプリ」です。



機能性表示食品の制度ができて沢山のサプリメントが注目されていますが、エビデンスもはっきりしないものも多いです。サプリメントにも世界基準の評価が必要です。フェルガード100Mは、米国のJournal of Alzheimer’s Disease Reports(DOI 10.3233/ADR-200211)へ掲載されています。国内では、日本脳神経外科学会、日本神経学会、日本認知症予防学会 などで数々報告が発表されています。共同研究機関一覧では、全国22の大学病院や機関病院などがあります。共催セミナー実績では、日本脳神経外科学会、日本神経学会、日本認知症学会、日本老年医学会、日本認知症予防学会などがあります。
医療機関専用へのこだわり
フェルガード100Mは、「医療機関専用」のメディカルサプリメントであり、医療機関の管理下で販売されています。 当院は「フェルガードシリーズ」が購入可能な医療機関として登録されていますので、お気軽にお問い合わせください。サプリメントなので、保険診療と異なり、毎回医師の診察を受ける必要はありません。ご自身が来院できない場合は、ご家族などに依頼して、フェルガードを購入しに来て頂ければ大丈夫です。フェルガード100Mを6ヶ月、1年と継続して飲むことの大切さが強調されています。二重盲検試験できちんと有意差がでています。患者さんへサプリメントを勧めるには、確固たるエビデンスが必要と感じています。副作用がなく、48週で有効性が科学的に証明されています。正規品はネット通販では購入できません。「フェルガード100M」は、定価 60包入りが6,000円(税込)、30包入りが3,200円(税込)です。「フェルガード100M 粒タイプ」定価120粒入りが5,500円(税込)です。基本製品のフェルガードMの他に、NewフェルガードLA、フェルガードB、フェルガードFなどがあり、バコパ、緑茶抽出物(EGCE)などが含有されたシリーズが存在します。
基本となるフェルガード100Mの服用で変化がないまたは合わない場合は、認知症の周辺症状(BPSD)の陰性症状(無気力、無関心、無言、うつ状態)に対してNewフェルガードLAやMガードを、陽性症状(徘徊、暴力、独語・妄想、幻覚・過食、不眠、介護抵抗)に対してフェルガード100MハーフやフェルガードB粒タイプ、フェルガードFを用いると良い報告があります。尚、最近では陽性症状に対し、ブレクスピプラゾール(レキサルティ)が注目されています。症状別の使い分けの他に、FTD(前頭側頭型認知症)やDLB(レビー小体型認知症)、CBS(大脳皮質基底核症候群)、PSP(進行性核上性麻痺)など疾患に応じた使い分けも推奨されています。次回のブログで取り上げるエイジングケアのNMNでは、アメリカのAmazonなどECモールで販売されている全NMNサプリのうち64%が偽物で、日本国内でも売れ筋NMNサプリの7商品を分析検査したところ2商品にNMNが全く検出されてない事実が判明しています。「フェルラ酸」についてもネット通販での購入には注意が必要です。医療機関にて本物を購入した方が間違いはありません。
②「βラクトリン」
キリンホールディングスが慶應義塾大学と共同研究して発見されたもので、カマンベールチーズの発酵過程で生成される乳由来ペプチドです。「ヒトの脳」の神経細胞に作用してドーパミンを増加させ、記憶力に関わる前頭前皮質や海馬の働きを活性化させます。記憶力と注意力の維持を支援します。約12週間の摂取で、記憶力の維持効果が認められています。
③「オキシカット(Twendee X)」
酸化的ストレス低減による、軽度認知機能障害(MCI)患者さんの進行予防効果がヒト臨床試験で示されたエビデンスがあります。オキシカットは、ビタミンC、Lーグルタミン、Lーシスチン、コエンザイムQ10、コハク酸、フマル酸、ビタミンB2、ナイアシンの8つの成分からなる抗酸化配合剤です。この研究では、ヒトの腸内細菌叢を整える効果や睡眠の質の改善などが報告されています。「脳腸相関」は大事なようです。
2025年12月末の時点では、日本認知症予防学会が承認しているサプリは「以上の3つだけ」です。
日本認知症予防学会が「承認していない」サプリについて
④「バコパサポニン」は、記憶力や注意力、認知機能の維持・改善に関する「動物レベル」のエビデンスがあります。バコサイドA・Bが記憶・学習能力向上や抗酸化作用に関与し、神経細胞の修復・再生を助けるメカニズムが示唆されています。注意力・集中力の維持、海馬などで抗酸化酵素活性を高め、神経細胞の損傷修復・再生を助ける作用が「動物実験」では、確認されています。ヒトでの質の高い大規模研究はまだ限定的です。
⑤「プラズマローゲン」には、アルツハイマー型認知症の軽度な記憶障害の改善、パーキンソン病の非運動症状の改善、認知機能の一部(記憶力など)の維持、そして幻覚症状や睡眠障害の改善といったエビデンスが報告されています。ホタテ由来プラズマローゲンを用いたサプリです。 軽度アルツハイマー型認知症を対象とした研究で、プラズマローゲン摂取群はプラセボ群と比較して、ウエクスラー記憶検査で「言語記憶力」や「視覚記憶力」に有意な改善を認めています。
⑥「ノビレチン」を含むサプリには、認知機能の一部や排尿機能の改善などについて「ヒト臨床試験」に基づいたエビデンスが存在します。 東北大学などの研究機関で、ノビレチンが脳の神経細胞のネットワークを活性化させる働きを持つことが研究されており、高齢者の認知機能の低下を遅らせる効果が確認されています。
サプリを選ぶ際は、ヒト臨床試験データや研究結果を参考にしつつ、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。
「認知症の予防を主張するサプリの多くはエビデンスに乏しく」イチョウ葉エキス、セサミン、NMN、ベータカロチン、レスベラトロール、長命草、GABA、そしてフェルガード類似品のフェルラ酸などは、ヒトの大規模臨床研究で予防や改善効果の報告は存在しません。
沢山のサプリの購入は避けて、先ずは規則正しい睡眠と食事、運動を大切にしましょう。特に「サプリの買い過ぎ貧乏」にならないように注意しましょう。
認知症のリスク因子について
2024年版 Lancet(世界5大医学誌)によると、認知症のリスク因子として以下のものがあると報告されています。
【早期】①5%:教育不足
【中年期】②7%:難聴、③7%:高LDLコレステロール血症、④3%:うつ病、⑤3%:外傷性脳損傷、⑥2%:身体不活動(運動不足)、⑦2%:糖尿病、⑧2%:喫煙、⑨2%:高血圧、⑩1%:肥満、⑪1%:過度の飲酒
【老年期】⑫5%:社会的孤立、⑬3%:大気汚染、⑭2%:視力低下
2024年版のLancetによれば、これら①~⑭の修正可能なリスク因子に対応することで、認知症の「約45%は予防または遅延」できる可能性が高いと報告しています。

認知症の誘因となる習慣
①良質な睡眠時間の不足
睡眠が5時間以下の人は、アルツハイマー病のリスクが30%上がることが判明しています。深睡眠は、脳がアミロイドβを排除するために重要な時間です。睡眠は1日6時間以上は必要ですが、9時間以上でも認知症リスクは上がります。「適切な睡眠時間は、成人で1日6〜8時間」とされています。
②歯の手入れをしない
東北大大学院の研究グループによると、脳が健康な人の歯は平均14.9本でしたが、認知症の疑いありと診断された方は平均9.4本でした。「口の中を清潔に保つ」「自分の歯をできるだけ残す」という意識で日々を過ごすことが大切です。定期的に歯科通院することも大切です。
③飲み物やビタミンミネラル栄養素の影響
数々の論文によれば、コーヒーを飲む人は 「3杯まで」なら認知症のリスクを下げます。アルコールでは「11gのアルコールまで」なら認知症のリスクを下げます。10gのアルコールは日本酒0.5合、ウイスキーシングル1杯、ビール350ml1本、7%缶チューハイ0.5缶、焼酎0.5合、ワイン0.5杯と結構少なめです。25g以上のアルコール依存では、認知症のリスクが高まります。緑茶は1杯ごとに認知症のリスクを6%下げてくれるので、飲めば飲むほど認知症の予防によいと報告されています。しかし、成人のカフェイン摂取量は400mgまでと定められており、緑茶なら上限は1日2,000ml 未満が目安です。カフェインによる入眠障害を防ぐために、認知症予防としては「緑茶は午前を中心に、1日約500ml 程度を習慣的に飲む」ことが良いと考えられます。
亜鉛欠乏では、神経の炎症やシナプス機能障害をきたすことで認知症の発症を関連付ける疫学的エビデンスが認められます。「亜鉛の欠乏では、認知症発症は約30%増加」と明らかに高まります。その他、研究レベルでエビデンスは弱いものの、認知症予防に役立つ可能性が指摘されている栄養素が複数あります。神経にダメージを与えるホモシステインの蓄積を防ぎ、低下した認知機能を改善する可能性が示唆されているのは、ビタミンB2、ビタミンB12、葉酸です。抗酸化作用で脳の酸化(老化)を防ぎ、認知症のリスク低減が期待されているのは、ビタミンC、ビタミンEです。近年注目されている、認知機能の低下を緩やかにし、認知症発症リスク低減を示唆する研究があるのはビタミンDです。ビタミンの過剰摂取に注意は必要ですが、マルチビタミンミネラルサプリの服用は有効と考えられます。また、ビタミン以外で重要な栄養素は、血液をサラサラにし脳に栄養を送るオメガ3のDHA、アミロイドβの蓄積を抑制することが示唆されているポリフェノールです。オメガ-3(EPA・DHA)多価不飽和脂肪酸に関しては賛否両論ありましたが、アルツハイマー型認知症またはMCIと診断された患者さんの認知機能に及ぼす影響を明らかにするため、メタ解析が実施されています。Nutrition Reviews誌2025年10月1日号の報告によれば、オメガ-3は、MCI患者の全検査IQ、情報処理、数字記憶・ワーキングメモリ・注意力などの認知機能改善に有意な影響を及ぼすことが報告されています。但し、絵の完成や配置など一部の認知機能領域に対する有効性は認められていません。最も重要なのは、これら神経の健康を保つ栄養素を含む「バランスの取れた食事」です。
④家庭の中のカビ
エアコンや加湿器からカビの臭いがしたり、台所や浴室に黒いカビがみえる場合は、認知症の原因となる可能性が指摘されています。カビはマイコトキシンという毒素を発生します。この毒素は体内では分解されず、脳にも到達します。カビの胞子やカビ毒を日常的に吸い込むと脳内で炎症が起き、アミロイドβが作られ蓄積されて、認知症の原因となる老人斑の形成が促されます。キッチン、トイレ、風呂場、結露しやすい壁や窓枠など清潔な環境を保ち、換気や掃除でカビ対策をすることが重要です。
おわりに
多くの製品が認知症予防の機能性表示食品サプリとして発売されています。また、認知症の誘因となる習慣も次第に分かってきています。しかし、認知症の診断に代わるものではなく、もし認知機能に不安がある場合は「もの忘れ専門外来」の医療機関に相談することが最も重要です。
近年、MCI(軽度認知症)の最新治療では進行を抑制する抗アミロイドβ抗体薬のレカネマブ(レケンビ)とドナネマブ(ケサンラ)が画期的とされています。これらは脳内のアミロイドβを除去する点滴薬で(利便性の高い皮下注射タイプの開発も注目されています)、病気の原因に作用し進行を遅らせる効果が期待されますが、アミロイドPETなどでアミロイドβの蓄積が確認された「アルツハイマー型認知症が背景にあるMCIが対象」となります。
現在甲府市では、甲府脳神経外科病院、国立病院機構甲府病院、甲府共立病院、JCHO山梨病院、ながまつ医院などがもの忘れ専門外来を設けております。ほとんどの専門外来は予約制です。必ず事前に電話で確認しましょう。
次回は、「エビデンスで証明された美肌・エイジングケアに有効なサプリメント」についてレビューします。皆さんよいお年をお迎えください。
文責:総合内科専門医 内藤 修
