• 11月 30, 2025
  • 12月 9, 2025

ダイエット・栄養素・サプリメント part1

ダイエット/健常者も知っておきたい五大栄養素/サプリメントの可否 part1

「はじめに」

2024年6月1日より厚生労働省からの通達にて、「高血圧・脂質異常症・糖尿病」のいずれかで通院治療されている患者様については個々に応じた具体的な指導内容、治療目標を記載した生活習慣病・療養計画書」を作成することが事実上義務化されました。

日々の外来診療では、生活習慣病などの対応策を詳細に説明できないこともあり、今回のシリーズでは徹底的に詳しく記載しましたので、是非とも休日などに最後まで読破してみてください。気になる情報があればメモを取り、利用して頂ければ幸いです。本シリーズの巻末に、「ダイエットにとても有益だった、私的に定期購入しているものをカミングアウトしています。

極端なダイエットは、筋肉量減少、体力低下、栄養不足による骨粗しょう症・貧血・ホルモンバランスの乱れ、精神的な不安定など、心身に悪影響をもたらします。減量は、3ヶ月で体重の3〜5%を目標とし、その後も標準体重を目指すことが大切です。

「運動療法」の重要性

運動は、身体機能の維持・向上、生活習慣病の予防・改善、転倒・骨折・寝たきりの予防、メンタルの改善、健康寿命を延ばすなど多岐にわたり重要です。

ウォーキングやスクワットなど日頃からの運動が大切です。運動をおろそかにすると日常生活動作(ADL)の低下をもたらし、高齢者になってから「フレイル」となり、直ぐ立てない・上手く歩けない、転倒のリスクがあるなどつらい思いをします。

最初から長時間ウォーキングをする必要はなく、1日10~15分程度からの「習慣化」が効果的です。1日の歩数目標を少しずつ増やしていくことで、無理なく習慣化できます。日頃、同じ姿勢が続いたらこまめに足首を回したり、軽くストレッチするのも大切です。余裕が出てきたら、ウォーキング1日30分+α を週3〜5日程度に増やしたり、サイクリングや水泳を取り入れるなども効果的です。

ウォーキングは、脳の活性化や血糖値の上昇抑制などによって認知症を予防します。ウォーキングは、ストレスホルモン(コルチゾールなど)のレベルを下げ快感ホルモン(βエンドルフィン)や精神安定ホルモン(セロトニン)など脳内ホルモンを分泌し、精神的なリラックスや活力増加の効果をもたらします。背筋を伸ばし、顔を前に向け、腕は自然に振ることが理想的です。1日5,000〜8,000歩で認知症を防ぐことができると報告されています。ウォーキングに飽きないよう、携帯ラジオを聴きながら歩くのも一法です。

真夏や真冬、雨天などでウォーキングが困難な場合には、「ツイストエアロステッパー」などでテレビを見ながら飽きずに利用するのも一法です。毎日体重を測定し、スマホ機能を利用して記録します。体重が減り始めると結果に出てモチベーションの維持につながります。

「食事療法」の重要性

本気でダイエットしたければ「20分程度」ゆっくり時間をかけて食べれば、自分の脂肪細胞から「レプチン」(食欲を抑制するホルモン)が分泌されます。また、1口おおむね「30回程度」よく噛んで食べれば、自分の小腸から「GLP-1」(インスリン分泌を促し血糖値の上昇を抑える、胃の動きを遅くし食後の満腹感を持続させる、食欲を抑制する、痩せるホルモン)を分泌させて、沢山食べ切ることがなくなります。食事療法では、「レプチンおよびGLP-1を分泌させる」この2つが基本中の基本です。

三大栄養素のひとつの「炭水化物(糖質)」

炭水化物(糖質)のダイエット中の摂取目安は、総エネルギーの「45〜50%」に減らします。糖質は1gあたり4kcalのエネルギーを産生します。ダイエット中の炭水化物(糖質)推奨量は1食あたり20g(80kcal)です。それ以上の厳しい糖質制限は一時的にダイエット効果があっても、長期間継続して良い結果が得られません。炭水化物は、ご飯、麺類、パン、パスタ、ピザ、いも類、砂糖、ハチミツ、甘味類 、果物、菓子類などに含まれます。

炭水化物ダイエットは、主食となるご飯や麵類、パンなどを含む摂取量を大きく減らすダイエット法です。具体的には、ご飯は茶碗1杯(150g)までを目安とする、麺類は1人前の8割程度にします。特に夕食は炭水化物の主食をできるだけ減らして、代わりにタンパク質を多く含むおかずや、野菜などの食物繊維を多くして、しっかり食べます。主食を減らすだけで、食事量全体を減らすわけではないので、満腹感も得られ、続けやすく効率的なダイエット法です。

極端すぎる炭水化物制限は、脳を働かせるブドウ糖の不足による集中力・記憶力低下、頭痛やふらつき、ストレスがたまる、筋肉量が減る、便秘、リバウンド、脂質異常症のリスク、ケトン体生成などを起こし危険です。「サラダしか食べない」など、極端な食事制限は避けましょう。

過度な炭水化物制限が続くことによって代謝が落ち、痩せにくくなるケースもみられます。摂取カロリーが極端に少ない状態が続くと、身体は「省エネモード」になり、筋肉量が減って基礎代謝が低下します。これにより、少ない食事でも脂肪が燃えにくくなるという悪循環に陥ってしまいます。

また、厳しいダイエット法は「妊婦、高齢者、腎臓病」がある方には推奨されていません。

炭水化物を摂りすぎると、エネルギーとして消費されなかった糖質(ブドウ糖)は、インスリンにより「中性脂肪やグリコーゲンに変換」されます。中性脂肪は皮下組織にある脂肪細胞に蓄えられ「皮下脂肪」となります。脂肪細胞の貯蔵能力を超えると、肝臓にも蓄積されます。肝臓に脂肪がたまる状態を「脂肪肝」といい、放置すると肝機能障害を起こします。更に、脂肪肝が増悪すると肝臓は「線維化」して慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんへと進行し寿命の短縮につながります。

また、中性脂肪の高値が続くと、心臓血管系や骨格筋、膵臓などの臓器にも脂肪が蓄積され、動脈硬化、血管の狭窄・閉塞、臓器機能障害を引き起こします。「食後の採血」で中性脂肪値が高い場合は、「心筋梗塞」のリスクは高まります。人間ドックや健診で、空腹時の中性脂肪が正常値でも安心できないので、食後3〜5時間を目安に血液検査を受けることが大切です。

炭水化物の摂取量が多いほど、吸収されるブドウ糖もそれにしたがい多くなるため、血糖値は大きく上昇します。血糖値の上昇に比例して、インスリンの分泌量も増えます。インスリンは血糖を脂肪に換えて体にため込む働きがあります。したがって、炭水化物を厳密に制限すれば、エネルギー源となるブドウ糖が不足するため、貯蔵されていた脂肪を燃やしエネルギーを作り出します。中性脂肪をエネルギーに変えて消費するのでダイエット効果が得られます。また、痩せている方でも、脂肪肝がみられることがありますので、腹部エコー検査を受けることも大切です。

文責:総合内科専門医 内藤 修

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